連日続く猛暑にすっかり蒸されたカニシュウマイ度1000%の体を、かき氷とクリームソーダそしてガリガリ君で騙し騙しフル起動させて数週間。 部屋の中のダンボール数もかなり積み重なり、引っ越し準備はいよいよ頂点へ。 そんな中、大変素敵なお誘いを受け、東京とは別世界の澄んだ空気の緑の地へとひとときの小旅行。 ギリギリまで行き先のわからないサプライズ・ツアーでお連れいただいた夢の場所は、なんと美しい谷川岳の空の下でした。 イタリアに近いような空の色、そして緑の囁きと流れる真白な雲…風。 その美しさは、背筋の凍るような長旅を耐えきったかいがあったというもの。 そう、その場所にたどり着くには、長くて高いロープウェーを克服しなければならなかったからです。 手すりを握る手のひらにはしっとりと汗がにじみ、ロープを巻き上げる鉄柱を通過する度に足下はすくみ…。 皆様の手前、出来るだけ平静を装おうとは考えていたものの、恥ずかしながら呼吸をするのが精一杯の自分にびっくり。 蒸し暑さも一瞬どこかへいってしまうほど、心臓ドキドキのひとときでした。 それにしても飛行機は大好きなのにロープウェーが怖いとは、一体どんな高所恐怖症なのでしょうね? しかし頂上の岩から見る、霧に見え隠れする下界は…なんともいえないものがありました。 とても遠いものを恐る恐る見るこのドキドキ感。こんな世界があったなんて…。 そうして下界に戻ると、ひょんなことから夏風邪をひき、発熱で目の前は砂漠の蜃気楼ムード。 優れものの「冷えピタ」のお世話になり復活したカニシュウマイは、もうすぐそこまで来ている大引っ越しXデイに向け、ラストスパートをかけつつ頑張っています。 幼い頃の想い出と夏の香りをすべて、ダンボール箱にぎゅっと詰め込みながら。 2010年8月23日 風鈴のかすかに響く、武蔵野の地より。 高野倉さかえ