今年もまた、煌めく年末の風景が 2年にまたがるような形で美しい色彩を投げかける中 午前0時と共に夜空に大きな花火が花開き、新しい年が始まりました。 箱根神社を訪れる人々の群れ。 駅伝中継のヘリの爆音。鳴り止まない応援団の太鼓や人々の声。 駅伝の往路ゴールがある湖畔が賑やかさを増すと あぁ、今年も1月が始まったのだなと実感します。 2・0・2・5。 なんとなくいい響きです。 そして数字をみつめながら思います。 ミレニアムバグの話題で大騒ぎだったあの2000年から、もう25年も経ってしまったのかと。 時の流れは本当に早いものです。 思えば、イタリアで暮らしていた時代は、お正月という概念があまりなかったので 元旦も特別な日という感覚がなく 毎年恒例のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートを聞きながらの昼食が終わると あとは静かな、ごくごく普通の日々が流れて行ったように感じます。 その代わり、大晦日のお祭り騒ぎはかなりのもので アルノ川にかかる古い橋の上はスプマンテ(イタリア風シャンパン)を開ける人々でいっぱい。 あの量の人数が一斉に足踏みをしたり飛び跳ねたりしている中にいると 古い石造りの橋の強度にも不安を感じ また爆竹がそこら中で跳ねるので 以前VESPAを破壊された記憶がふと脳裏をよぎり 路上駐車中のマイカーがまたもやバラバラにされやしないかと常にドキドキでした。 そしておそらく、シャンパンシャワーをあちこちで浴びていたせいでしょう。 アルコールが飲めない私は、1滴も飲んでいないにもかかわらず 帰宅すると身体中からお酒の香りがプンプンしていました。 お祭り騒ぎとは言ったものの、特に大きな祭りが開催されるわけでは決してないのですが それぞれがそれぞれの仲間と街を練り歩き 出逢った見知らぬ人達と共に仲良く発泡酒を開けながら ただただ笑い、歌って踊る。そんなイメージです。 賑やかでした。 何も特別なものなどないのに、夜空まで全てが華やかでした。 そして翌日1月1日の疲労感は言うまでもありません。 懐かしいイタリアの大晦日そして翌日にやって来る謎の筋肉痛を思い出しながら 海の向こうの仲間たちと笑い合い、おめでとうを交わしつつ、今年も新たな1月が始まりました。 年を超えて輝いていたクリスマス飾りがいつもの箱に収まると アトリエではいよいよ個展準備が濃厚になって参ります。 そしてこの時期になると「寝ても覚めても」とはよく言ったものだとつくづく思います。 早朝、うっすらと目が覚めて最初に心に浮かぶのは、今日のアトリエ作業の事。 日中何をしていても頭の中は次の仕事でいっぱい。 そして個展準備は夢の中にまで浸透して行き、睡眠中にまで新作の制作や諸準備を続けている始末。 翌朝目が覚めて…「あれ?」と思わずびっくりしてしまう毎日です。 それはまるで、目はまだまだ微睡んでいるのに、頭と心が一足お先に活動を始めている感覚です。 その代わり、朝イチから次々と新しいアイディアが浮かぶ。とても幸せな事だと思います。 アトリエの乾燥棚には新作がずらり。 それぞれが額装の順番を今か今かと待っています。 もうすぐやって来る3月の展示会。 今回もたくさんの方々の笑顔に出逢えますように。 たくさんの想いを込めながら、今日も作業を続けております。 Che l’anno nuovo Vi porti tanta gioia, serenità e felicità. 穏やかな幸せに満ち溢れた新年を✨ 皆さま、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 箱根神社の鹿たちが日々訪れる、アトリエの窓より想いを込めて。 2025年1月23日 高野倉さかえ