氷の世界を眺めつつ、来月の個展準備に追われています。 冬の澄み渡った空気に鮮やかに打ち上げられる節分前夜祭の湖水花火。 湖を渡ってくる冷たい風が頬を凍らせ 感動の笑顔が少し妙な顔になってしまったり…それほどの寒さの元箱根。 時々太陽が顔を覗かせると、アトリエの窓辺では透明度の高いツララが大変よく伸びます。 湿度が比較的高いせいでしょうか、 箱根の冬は、イタリアの冬よりも白さのバリエーションに包まれている感じがします。 そんな庭にやってくる動物たち。 夜のうちに成長する長い霜柱の上をサクサクと踏みしめて、 森からそしてご近所からみなさんがやって来ます。 気がつくと様々な足跡が 冷たい空気に触れ、再び凍りついて、 アトリエの庭に微笑ましい文様を残してゆきます。 今日は「お天気雨」ならぬ「お天気雪」。 陽光の中に雪がふわっと舞い、キラキラと光りながら流れてゆく。 言葉でも写真でも表現できないような、なんともいえない不思議な光景です。 そんな色の世界を 表現できたら素敵だなぁと夢を見、凍える手足をこすりつつ絵筆を動かす毎日です。 2015年2月9日 透明な氷の世界より。 高野倉さかえ