今期最初のイチゴの花が咲き始めました。 ギザギザ葉っぱの中から恥ずかしげに顔を出す 5枚の白い花びらをつけた、可憐なちいさな花。 これがあのイチゴに変身するとは、驚きです。 寒い冬の間はまるで枯れ果ててしまったような姿になる この美味しい美味しい植物。 今年はいよいよ終わってしまったかと いつもいつも心配になるけれど どうやら今年も、皆無事だったようです。 山の上のひんやり大気にも ようやく暖かさが満ちて来るこの季節は 地味な茶色だった樹々や大地に 様々な緑色がわんさかと現れ 思わぬところに、思わぬ植物の芽が ひょっこりと顔を出しています。 そんな花をみつける度 子供のようにしゃがみ込むこと5分。 全く違うゾーンに植えたはずの花が どうやってここまで歩いて来たのだろう?と こぼれ種の大冒険を想像しては、笑顔になっております。 そんな5月の...ある夜。 「ホホ〜♬ ホホッホホ〜ホ〜♬」 今まで聞いた覚えのない、怪しいリズムの鳴き声が どこからともなく聞こえて来るではありませんか。 夜の暗闇に包まれながら、ウッドデッキにそぅっとしゃがみ込み ほとんど呼吸を止めるくらいまで息をひそめて聞いていると 確かに変わった、鳥らしきものが鳴いています。 「ホホ〜♬ ホホッホホ〜ホ〜♬」 部屋に入り、慌ててネットで検索。 そして予感は的中しました。 フクロウの登場です! 比較的自然の豊かな地域ではあるけれど まさか森の賢者がこの近くまで来ていらっしゃるとは! あぁ、一度その姿を見てみたい シジュウカラさん夫婦のように、この庭に巣を作ってくれないだろうか。 そんなことを考え、すぐに大事な事に気がつきました。 あ...猛禽類だわ。。。 シジュウカラさん夫婦が子育てを継続できなくなってしまうので 森の賢者にはやはり森に住んでいただく事にいたしましょう。 そして陽は登り 今日も庭では、つぶらな瞳のシジュウカラご夫婦が 巣箱から外へ、外から巣箱へと忙しなく行き来しています。 日に日にエサを運ぶ頻度が増してきているところをみると ヒナたちが大空に飛び立つ日も、かなり近い模様です。 一方地上では、花を終えたムスカリの茎に 早くもタネの袋がぷっくりと膨らんでいます。 顔を近づけてようく見ると それはまるで森の小人たちの持つ巾着型バッグのよう。 そのバッグが完熟して、パチンと弾け飛ぶと 風に乗り、新たなこぼれ種の大冒険が今年もまた始まるのでしょう。 来年はどこまで辿り着いて 私と、庭を訪れるイノシシファミリーを感動させてくれるのかな。 掘っても掘っても なくなるどころか着実に増え続けていく、このムスカリ。 自然の力に、今日も感服するひとときでした。 2022年5月23日 シジュウカラbabyたちの声が聞こえる...アトリエの窓より。 高野倉さかえ