あっという間に4月ももう後半 ゴールデンウィークも、もうすぐそこまで来ています。 アトリエから庭へと続くドアを開けると 暖かくなり始めた大気にはウグイスの美声が響きます。 そして屋外に出ると 体中が、生まれたばかりの青い若葉と太陽の香りに包まれます。 それは春のお陽さまの香り。 そして昨年よりも少しだけ暖かめの今年は もうほんのりと、5月の香りを帯びています。 常緑の茂みと化していた玄関先のエリカ・ダーレンシスも、今年は珍しく花盛りに。 米粒大の白い小花がたくさん付き、まるでライスシャワーを浴びた花嫁のような状態になっています。 この春、新たに庭に地植えしたルピナスの花は どうやらこの土地を気に入ってくれたようで、空へと向かってどんどん元気に伸びてゆき 今では、花の数も縦横の大きさも2倍以上に育っています。 アトリエ窓からもよく見える、そのルピナス。 マメ科のその植物は、近づくとスイートピーのようにほんのり甘く良い香り。 そして花の形が藤にとても良く似ています。 下から上へと、花が空に向かって咲き上がっていく様子から、日本では昇り藤と呼ぶ方も多いようですが 色合いの種類は藤よりもかなり豊富で この季節のワイルドな我が庭も、おかげさまで明るく賑やかに彩られております。 そして毎日欠かさず庭を訪れるキジのカップル、助とマルちゃんは 最近よく、その花の間に長く佇んでいます。 オスのキジ助の鮮やかな羽色とルピナスの花色のコントラストが陽光にとても美しく 慌ててカメラを構え、シャッターを切ります。 レンズを望遠側に動かし、前後の花々をボカそうとした、その時のことです。 キジ助の隣にいたメスのマルちゃんのくちばしから 何やら緑色のものがピロピロと出ている様子が見えました。 シュッと胸を張り、辺りを見回しているキジ助に守られながら 彼女はやたらと忙しく口を動かし、とても美味しそうに何かを食べています。 仲の良いこの2羽が姿を消した後、そうっと庭に出てみると... 葉の先端部分だけがぐるっと食されておりました。 それにしてもマルちゃん、なんともキレイにカットして行ったではありませんか。 今まで天狗の羽団扇のようだった葉が、美しい丸うちわに早変わりです。(笑) この部分、よほど美味しいのでしょう。 周囲の他の植物は全くもって無事なのに、ルピナスの葉先だけがなくなるなんて! ところでこのルピナス、噂によると枝豆に似た姿のタネができるということですが 果たして無事に実るでしょうか? それともマルちゃんは、タネのほうも好きなのかな? キジのマルちゃんの大好物、今月の新発見でございます。 木の上の巣箱では、今年もシジュウカラカップルが子育てをしている模様です。 2023年4月25日 新緑の生まれ来るアトリエより。 高野倉さかえ