眩しい陽射しが肌を焦がす、夏。 そんな言葉がぴったりな季節になってまいりました。 雨の合間に庭仕事を始めると、あっという間に首筋がジリジリ。 そして半袖から出ている腕もヒリヒリ。 それほど長居はしないからとお陽さまを甘く見ていましたが 紫外線の威力は恐るべし! 油断している間にヒリヒリがビリビリになり あっという間に真っ赤に。 翌日には既に、いつでも半袖を着ているような 派手な日焼け跡がくっきりと腕についてしまっておりました。 思えば、イタリア生活では 半袖を着ていた記憶がほとんどありません。 なので、腕の半端な部分に日焼け跡がつくこともありませんでした。 春から一気に暑くなり夏へ。 そして海辺から人がいなくなる夏の終わりにはもう空気もひんやり。 季節と季節の合間の、中途半端な気温の時期があまりなかったので 陽射しが少し暖かさを増すと、靴は冬のブーツからいきなりサンダルへ。 服の方は長袖からすぐに肩の出たノースリーブへと移行。 日本で重宝していたタイプの服や靴をほとんど身につけなくなっており 一時帰国で日本を訪れると 髙野倉はやっぱり今回もノースリーブだ!と 友人たちによく茶化されたものです。 比較的気温の低い箱根山での生活が始まった時 日本の、しかも山暮らしに便利なモノをと考えると まずノースリーブを着なくなりました。 そしてサンダルもNGです。 なぜなら舗装した部分がない我が家の庭では 虫やイガイガのある草にやられてしまうので。 ヒールのある靴や革靴もすぐにドロまみれになってしまうので不向きです。 ということで、ここではいつもスニーカー暮らし。 寒さの厳しい季節だけ防寒モフ靴を履いて 足を霜焼けから守ります。 7月の、熱をもったお陽さまが微笑むある休日の昼下がり。 久し振りに外に出したサンダルを見ていて、思いました。 「そうだ、久し振りにネイルをしてみよう!」 職業柄、それはもう昔からずっと 手の指にネイルをする事は一切ありません。 なので今回ももちろんペディキュア。足の爪のネイルです。 イタリア時代は、サンダルを履く期間がとてもとても長かったので 暖かな季節になると足の爪にはいつも 何かしらのカラフルな色がついていました。 さてさて、久し振りのネイル。 まずはお隣にある額職人の工房にお邪魔し 額の装飾用に揃えられていたネイルカラー数本を拝借です。 塗り始めると、少し懐かしい夏の香りがします。 そしてすぐに思い出しました。 爪に色を塗る作業って、あぁ、とても難しいという事を! 私の足爪の形が悪いのか、特にパールの入った色は、筆跡がランダムに残ってしまう。 今ひとつ美しくなりません。 「…足だし、まぁいいかな。」 そう自分に言い聞かせ、そのままなんとなく乾かし始めると、額職人に言われました。 「えっ?!まさかそれでいいの? 画家なのに?」 …やっぱり…だめか。。。 そうですよね、画家としても女子としてもこれではいけないと思い、塗り直しに入りました。 足の先だから目につくまいと一瞬でも思った自分が恥ずかしい。。 完全休日と固く心に決めていた今日もまた 結局、色を塗っている自分がいます。 そういえばイタリアにいた頃 1分程で乾く優れものネイルもありました。 しかし本日のこちらは 待てど暮らせどなかなか表面が固くならない だいぶのんびりタイプのネイルカラーです。 お天気も良い事だし、ウッドデッキでお陽さまパワーもお借りして乾かそうかな。 そして栽培中の植物たちに混じり、足指の日光浴です。 周囲にはたくさんの植木鉢。 昨年種子を大収穫して、つい先日に種を蒔いたばかりの サルビア・ガラニティカやガウラのちいさな芽がぐんぐんと伸びています。 お陽さまの下、そんな鉢たちに囲まれていると こうして足を温めている間にも新しい芽が出てきそうな気がして まるでちいさい子供のように、ついついジィーっと土の表面を見つめてしまいます。 出てこないかな〜。新しい緑。 トトロに出てきた1シーンのように ポンっと元気な音を立てながら。 2023年7月3日 眩しいお陽さまの光に包まれた...緑のアトリエより。 高野倉さかえ